不動産投資の現実と持ち続けるリスク

「将来の資産形成として」「生命保険の代わりに」「節税目的で」「不労所得を得たい」など、このような目的で不動産投資をされている方が多いかと思います。

しかし、近年は多くの不動産投資家が収支の悪化に悩んでいらっしゃり、実に90%以上の方が10年以内に投資不動産を手放されています

最後まで不労所得を稼げる、もしくは資産として残る不動産はごく一部

不動産のうち少なくても「建物」は年々その価値が落ちていきます。当たり前のことですが、このことを軽視して不動産を購入されている方も珍しくないのが実情です。

購入当初は月々の収支がプラスであっても、年々賃料が落ちていったり、修繕コストが上がっていくことで将来的には収支がマイナスになり、多くの方がローンの支払いに苦労することになります。

そして、仮にやっとの思いでローンを払いきったとしても、そのころには資産としての価値はほとんど残っていません。

本当に儲かる収益物件はすべて業者とプロが抱えている

「絶対に損しませんよ」そんな謳い文句で不動産業者に営業された方もいらっしゃるかと思います。

しかし、本当にそんなおいしい物件であれば、その業者自身が購入するはずです。

現に、投資系の不動産業者が物件を購入する基準は、東京の中心地で6~8%、大阪・名古屋の中心部で8~10%、その他の地域で11%~です(いずれも築年数が比較的浅いことが前提)。

業者は上記のような儲かる不動産から利益を抜いて一般の個人投資家に、東京の中心地で4~5%、大阪・名古屋の中心部で5~6%、その他の地域で6%~8%で降ろしているわけです。これでは投資家は儲かるわけがありません。(もちろんこのような悪徳業者ばかりというわけではありません)

「収支がマイナス」または「売ってもローンを返せない」不動産は資産ではなく負債

現時点で月々の収支がマイナスであっても「生命保険代わりに」と思って保有を続けている方もいらっしゃいますが、生命保険と異なり不動産は価値が下落していくため、保険として考えるのであれば「掛け捨てどころか受け取り額さえも減っていく保険」ということになります。

また、現時点で収支がマイナスなのであれば、今後築年数が上がるにつれて、入居者が代わるたびに賃料が下がる一方で修繕費は上がっていき、そのマイナス幅はどんどん大きくなります。そして最終的には空室で一銭も入らないという状況に陥るでしょう。

また、売却してもローンを全額返済できないという状態なのであれば、単純に資産価値<負債額で債務超過というべき状態であり、ただの負債でしかありません。

仮に今は売却して完済できる状態でも、今後空室が増えたり家賃が下落すれば資産価値(=売却できる価格)は急激に下落しますので、債務超過になる前に手放すことも選択肢として検討することをお勧めします。

サブリース(家賃保証)の幻想と悪夢

「サブリースがついているから安心です」と言われて契約をしたという方も多いようですが、これも最近では至るところで訴訟問題に発展しています。

サブリースはほとんどの場合、「〇年後に見直し」という条件になっており、家賃収入が落ちてくればサブリースでの保証金額も大幅な減額を要求されます。

サブリースの保証金額が減額されても当然ローンの返済額は一定ですので、月々の持ち出しは年々増えていくことになります。

結果、月々の赤字幅はローンを完済するまで永遠に増え続ける

これまでのことをまとめると…

当然ですが不動産は築年数が増えていくにつれて

「家賃相場は下落」「それに伴ってサブリースでの保証金額も下落」「空室率は上昇」していくため、収入逓減していきます。

一方で、「修繕費は増加」「空室を埋めるための広告費も増加」していくわけですので、コストは逓増していきます。

それに対して支払うローンはほぼ一定です。

つまり、住宅ローンを返済しきるまで、赤字幅は永遠に増え続けるわけです。
これはもはや負債としか言えません。

早い段階で見切りをつける

もちろんすべての不動産が資産ではなく負債というわけではありません。中には長期にわたって収益を生み出す優良物件があるのも事実です。しかし、前述の通りほとんどの場合そのような不動産は業者が自分たちで購入してしまいます。

このような現実の中で、今保有されている不動産が本当に長期にわたって「資産」であり続けるのかどうか、今一度よくシミュレーションされることをお勧めします。

そして、もし現時点もしくは将来的に「負債」ということになれば、できる限り早いタイミングで見切りをつけて処分されることをお勧めします。

 

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